- 牝馬が有馬記念で勝てない理由
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有馬記念とは
競馬場 | 中山 | コース | 芝2500m |
馬齢 | 3歳以上 | 開催月 | 12月 |
創設 | 1956年 | 賞金 | 3億円 |
レコード | 2:29.5 | レコード | ゼンノロブロイ |
有馬記念は毎年12月に実施されるG1です。
1956年にファン投票によって出走馬が決まるG1「中山グランプリ」として創設されました。
1995年まで芝2600mで実施されていましたが、1966年に芝2500mに距離が短縮されました。
1996年には約875億円の売上を記録。未だに破られていないギネス記録となっています。

牝馬は有馬記念を勝てない?
有馬記念の馬券を予想する際には「牝馬は有馬記念を勝てない」とよく言われます。
本当に牝馬は有馬記念を勝てないのか。実際に過去65回の結果を見てみましょう。
過去65回の有馬記念の勝馬
回 | 年 | 勝馬 | 性 |
第1回 | 1956年 | メイヂヒカリ | 牡 |
第2回 | 1957年 | ハクチカラ | 牡 |
第3回 | 1958年 | オンワードゼア | 牡 |
第4回 | 1959年 | ガーネツト | 牝 |
第5回 | 1960年 | スターロツチ | 牝 |
第6回 | 1961年 | ホマレボシ | 牡 |
第7回 | 1962年 | オンスロート | 牡 |
第8回 | 1963年 | リユウフオーレル | 牡 |
第9回 | 1964年 | ヤマトキヨウダイ | 牡 |
第10回 | 1965年 | シンザン | 牡 |
第11回 | 1966年 | コレヒデ | 牡 |
第12回 | 1967年 | カブトシロー | 牡 |
第13回 | 1968年 | リュウズキ | 牡 |
第14回 | 1969年 | スピードシンボリ | 牡 |
第15回 | 1970年 | スピードシンボリ | 牡 |
第16回 | 1971年 | トウメイ | 牝 |
第17回 | 1972年 | イシノヒカル | 牡 |
第18回 | 1973年 | ストロングエイト | 牡 |
第19回 | 1974年 | タニノチカラ | 牡 |
第20回 | 1975年 | イシノアラシ | 牡 |
第21回 | 1976年 | トウショウボーイ | 牡 |
第22回 | 1977年 | テンポイント | 牡 |
第23回 | 1978年 | カネミノブ | 牡 |
第24回 | 1979年 | グリーングラス | 牡 |
第25回 | 1980年 | ホウヨウボーイ | 牡 |
第26回 | 1981年 | アンバーシャダイ | 牡 |
第27回 | 1982年 | ヒカリデユール | 牡 |
第28回 | 1983年 | リードホーユー | 牡 |
第29回 | 1984年 | シンボリルドルフ | 牡 |
第30回 | 1985年 | シンボリルドルフ | 牡 |
第31回 | 1986年 | ダイナガリバー | 牡 |
第32回 | 1987年 | メジロデュレン | 牡 |
第33回 | 1988年 | オグリキャップ | 牡 |
第34回 | 1989年 | イナリワン | 牡 |
第35回 | 1990年 | オグリキャップ | 牡 |
第36回 | 1991年 | ダイユウサク | 牡 |
第37回 | 1992年 | メジロパーマー | 牡 |
第38回 | 1993年 | トウカイテイオー | 牡 |
第39回 | 1994年 | ナリタブライアン | 牡 |
第40回 | 1995年 | マヤノトップガン | 牡 |
第41回 | 1996年 | サクラローレル | 牡 |
第42回 | 1997年 | シルクジャスティス | 牡 |
第43回 | 1998年 | グラスワンダー | 牡 |
第44回 | 1999年 | グラスワンダー | 牡 |
第45回 | 2000年 | テイエムオペラオー | 牡 |
第46回 | 2001年 | マンハッタンカフェ | 牡 |
第47回 | 2002年 | シンボリクリスエス | 牡 |
第48回 | 2003年 | シンボリクリスエス | 牡 |
第49回 | 2004年 | ゼンノロブロイ | 牡 |
第50回 | 2005年 | ハーツクライ | 牡 |
第51回 | 2006年 | ディープインパクト | 牡 |
第52回 | 2007年 | マツリダゴッホ | 牡 |
第53回 | 2008年 | ダイワスカーレット | 牝 |
第54回 | 2009年 | ドリームジャーニー | 牡 |
第55回 | 2010年 | ヴィクトワールピサ | 牡 |
第56回 | 2011年 | オルフェーヴル | 牡 |
第57回 | 2012年 | ゴールドシップ | 牡 |
第58回 | 2013年 | オルフェーヴル | 牡 |
第59回 | 2014年 | ジェンティルドンナ | 牝 |
第60回 | 2015年 | ゴールドアクター | 牡 |
第61回 | 2016年 | サトノダイヤモンド | 牡 |
第62回 | 2017年 | キタサンブラック | 牡 |
第63回 | 2018年 | ブラストワンピース | 牡 |
第64回 | 2019年 | リスグラシュー | 牝 |
第65回 | 2020年 | クロノジェネシス | 牝 |
実際に、過去65回の有馬記念の結果を見てみると、牝馬はわずか7勝。勝率は10%未満です。
2008年の有馬記念のダイワスカーレットは、牝馬として37年ぶりの有馬記念の勝利でした。
「牝馬は有馬記念を勝てない」と言われてしまうのも仕方ない結果かもしれません。
牝馬が有馬記念を勝てない理由
牝馬が有馬記念でなかなか勝てないことはわかりましたが、なにか理由はあるのでしょうか。
結論から言うと「有馬記念がスローペースの瞬発力勝負になりにくい」ことが理由です。
牝馬はスピードとスタミナで勝てない
牡馬と牝馬の能力差を埋めるために、G1では牝馬の斤量が2kg軽くなっていますが、その状態でもスピードは牡馬のほうが速いです。
また、芝3200mで実施される天皇賞(春)の牝馬勝ちが過去1回しかないことからわかるように、牝馬はスタミナでも牡馬に劣ります。
スピードとスタミナのどちらも負けている牝馬が牡馬に勝つためには、最後の直線の一瞬の脚だけで勝負できるレースが有利です。
スローペースの瞬発力勝負にならない
ここ最近の日本競馬はスローペースの瞬発力勝負で決まるレースが多く、まさに牝馬にとっては追い風が吹いている状況だと思います。
それに伴って、実際に牡馬を差し置いて活躍する牝馬がどんどん増え、日本競馬全体としては「牝馬が強い時代」だと言われています。
しかし、有馬記念の場合は直線が短いうえに、スローペースになっても向こう正面の下り坂で急激にペースが上がりやすいことが特徴。
最後の直線でヨーイドンの瞬発力勝負になることが少なく、スタミナが豊富でロングスパートできる牡馬のほうが有利なんですね。
直近2年は牝馬が勝利
- 2019年:リスグラシュー
- 2020年:クロノジェネシス
「牝馬は有馬記念を勝てない」と言った反面、実は直近2年は牝馬が連続で勝利しています。
ただ、有馬記念が牝馬でも勝ちやすいレースになってきたかと言えば、そうは思いません。
リスグラシューとクロノジェネシスの2頭が、牝馬らしからぬ豊富なスタミナを持った異次元の強さだったと思うほうが自然な気がします。
むしろ一瞬の切れ味勝負に優れたアーモンドアイが最後の直線でパタリと止まってしまったことを覚えておくとよいかもしれません。
まとめ:史上8頭目の牝馬Vは?
- 有馬記念を勝利した牝馬は過去65年でわずかに7頭しかいない
- 牝馬が有馬記念で勝てない理由は有馬記念のレース性質にある
- 牝馬は牡馬に比べてスピードとスタミナで劣るため、瞬発力勝負のほうが有利
- 有馬記念は牝馬に有利なスローペースの瞬発力勝負になりにくいため不利
この記事では、「牝馬は有馬記念で勝てない」と言われる理由について詳しく解説しました。
レースが実施される条件によって牡馬と牝馬の能力差が出やすいときと出にくいときがあることがわかったのではないかと思います。
逆に考えると、牝馬にとって厳しい展開になることが多い有馬記念を勝利した7頭の牝馬は、本当に強い名牝なんだと改めて感じました。
有馬記念を制覇する史上8頭目の牝馬が現れるのはいつになるのか。今から楽しみです!
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