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【競馬】夏の上がり馬とは? | 菊花賞/秋華賞をG1初挑戦で勝った名馬10選

どうも、ダート短距離(1400m以下)専門家のタケツム (@taketsumu_keiba) です。

タケツム

競馬好きサラリーマンのタケツムが解説します!

上がり馬とは

まず「夏の上がり馬」を説明する前に、競馬における「上がり馬」について解説します。

上がり馬とは、急成長して下級条件から上級条件に勝ち上がった競走馬のことです。

具体的には、下級条件から連勝で昇級したり、凡走続きの状況からある時期を境に好走を見せた競走馬のことを指します。

夏の上がり馬とは

夏の上がり馬とは、夏季開催のレースで力をつけ、上級クラスに昇格した勢いのまま、秋のG1戦線で活躍を見せた競走馬のことです。

特に中央競馬の場合は、3歳限定のクラシック三冠レースにおいて、春開催の皐月賞・東京優駿は出走できなかった下級条件馬が夏競馬で急成長して勝ち上がり、秋開催の菊花賞で好走した馬を指すことが多いです。

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いよいよ菊花賞を制覇した夏の上がり馬10選の発表です!

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菊花賞を制覇した夏の上がり馬

  1. アカネテンリュウ(1969)
  2. メジロマックイーン(1990)
  3. マヤノトップガン(1995)
  4. マンハッタンカフェ(2001)
  5. ヒシミラクル(2002)
  6. オウケンブルースリ(2008)
  7. スリーロールス(2009)
  8. ビッグウィーク(2010)
  9. トーホウジャッカル(2014)
  10. フィエールマン(2018)

アカネテンリュウ(1969)

1969年に菊花賞を制覇した夏の上がり馬です。

3歳春までは下級馬でしたが、夏の函館開催から「戦後最大の上がり馬」と言われるほどの急成長を見せ、そのまま菊花賞を制しました。

年末の有馬記念では2着に入り、この年の最優秀4歳(現3歳)牡馬を受賞。翌年の有馬記念も2着となり、2年連続の連対となりました。

上がり馬の先駆け的な存在の馬となっており、これ以降上がり馬が出現すると「アカネテンリュウの再来」と表現されました。

メジロマックイーン(1990)

1990年に菊花賞を制覇した夏の上がり馬です。

ソエの影響でデビュー戦は4歳(現3歳)の2月と遅れましたが、実力の違いを見せて圧勝。「東京優駿を狙える器」と言われましたが、ソエが完治せず、目標は菊花賞に定められました。

菊花賞のステップレースとなる嵐山Sでは、騎乗ミスでまさかの2着。賞金不足が心配されましたが、運良く出走回避馬が出たおかげで無事に出走。見事に4番人気で勝利しました。

天皇賞(春)連覇、宝塚記念優勝など華々しい成績を残して顕彰馬にも選出された名馬ですが、1991年の天皇賞(秋)では、JRAのG1史上初の1位降着となる悲劇もありました。

マヤノトップガン(1995)

1995年に菊花賞を制覇した夏の上がり馬です。

デビューしてから3歳春までの7戦はダートを走っていましたが、2勝しかできませんでした。

8戦目で初めて芝の競走で好走してから徐々に本格化。秋は神戸新聞杯と京都新聞杯で2着に入ったあと、菊花賞と有馬記念を連勝し、この年の年度代表馬にも選出されました。

その後も宝塚記念と天皇賞(春)を勝利。すべてのG1競走を異なる戦法で勝利したので「変幻自在の脚質」と称されました。

マンハッタンカフェ(2001)

2001年に菊花賞を制覇した夏の上がり馬です。

デビュー2戦目では単勝1.7倍の断然人気に応えて初勝利を挙げるも、体質が弱く、続く2戦で馬体重を36kgも減らし、春のクラシックは断念。

+46kgの馬体重大幅増で臨んだ休養明けの富良野特別では1番人気に応えて快勝。その後も好走を続け、菊花賞では6番人気で優勝しました。

その後は、年末の有馬記念と天皇賞(春)を勝利してG1・3勝。ちなみに、3歳から4歳にかけて菊花賞→有馬記念→天皇賞(春)を連勝したのは当馬とシンボリルドルフの2頭だけです。

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ヒシミラクル(2002)

2002年に菊花賞を制覇した夏の上がり馬です。

初勝利まで10戦を要しましたが、その後は条件戦を勝ち上がり、神戸新聞杯6着を経て出走した菊花賞を10番人気で勝利しました。

4歳春には、天皇賞(春)を7番人気、宝塚記念を6番人気で勝利。2戦連続の人気を上回る激走は競馬ファンを驚かせてくれました。

尚、宝塚記念の前日投票では1人の男性がヒシミラクルの単勝を1222万円分購入。実際の払戻金は1億9918万6000円で「ミラクルおじさん」と称され、話題になりました。

オウケンブルースリ(2008)

2008年に菊花賞を制覇した夏の上がり馬です。

体質が弱かったため、デビューは皐月賞の翌週、初勝利は東京優駿の翌週でしたが、その後はトントン拍子に勝利を重ねました。

デビューから184日目での菊花賞制覇は、当時1984年のグレード制以降の最短記録でした。

その後、重賞勝ちはG3・京都大賞典の1勝のみでしたが、同レースで4年連続の馬券内と最後まで活躍する姿を見せてくれました。

スリーロールス(2009)

2009年に菊花賞を制覇した夏の上がり馬です。

デビュー戦ではブエナビスタ・アンライバルド・リーチザクラウンと華々しいメンバーと一緒に走って4着と健闘しましたが、2勝目を挙げたのは皐月賞が過ぎた5月でした。

その後、9月に1000万下条件を勝つと、次走の菊花賞では、アンライバルド・リーチザクラウンを抑え、8番人気で優勝しました。

菊花賞後はジャパンカップを回避して有馬記念に出走しましたが、レース中に左前浅屈腱不全断裂を発症してしまい、引退しました。

ビッグウィーク(2010)

2010年に菊花賞を制覇した夏の上がり馬です。

デビュー戦は2歳の9月と早かったものの2着のレースが続き、ようやく未勝利戦を勝ち上がったのは東京優駿が終わった3歳の7月でした。

そこから条件戦を2連勝したあと、神戸新聞杯3着で菊花賞の有線出走権を獲得。菊花賞本番では、7番人気ながら優勝しました。

しかし、その後は2桁着順でのレースが続き、6歳の7月に障害レースに転向しましたが、目立った活躍はできないまま引退しました。

トーホウジャッカル(2014)

2014年に菊花賞を制覇した夏の上がり馬です。

腸炎を患った影響で入厩が遅れ、東京優駿の前日にデビューしました。3戦目で勝ち上がると好走を続け、神戸新聞杯で3着となって菊花賞への優先出走権を獲得。

菊花賞では3番人気に推され、3分1秒0のレコードタイムで優勝しました。デビューから149日目での菊花賞制覇は、オウケンブルースリを上回る最短記録になります。

その後は、宝塚記念・天皇賞(春)など中長距離レースをメインに出走しますが、一度も馬券に絡むことなく引退を迎えました。

フィエールマン(2018)

2018年に菊花賞を制覇した夏の上がり馬です。

体質が弱く4月の山藤賞を勝ったものの東京優駿への出走を断念。ラジオNIKKEI賞2着後はノーザンファーム天栄で調整され、菊花賞へ直行するローテーションを組みました。

菊花賞では7番人気に留まったが、2番人気のエタリオウとの叩き合いを制し、史上最少となるキャリア4戦での菊花賞制覇を果たした。

その後も天皇賞(春)連覇、天皇賞(秋)優勝などの実績を重ねるなど活躍を続け、2020年の有馬記念3着を最後に引退を迎えました。

番外編:マチカネフクキタル(1997)

1997年に菊花賞を制覇した夏の上がり馬です。

春に初勝利を挙げたあと、プリンシパルSで2着に入り東京優駿に出走しましたが、結果は11番人気7着と振るいませんでした。

夏の福島競馬で力をつけ、秋は神戸新聞杯と京都新聞杯を連勝した勢いそのままに菊花賞を3番人気で勝利しました。

その後はG1・G2競走を11レース走りましたが、1勝も挙げられずに引退を迎えました。

牝馬三冠レースとは

そもそも牝馬三冠レースについてよくわからない方のために説明します。すでにご存知の方は読み飛ばしていただいてOKです。

三冠レース名開催月競馬場距離
桜花賞4月阪神芝1600m
オークス5月東京芝2400m
秋華賞10月京都芝2000m

牝馬三冠レースとは、3歳牝馬限定で実施される桜花賞・オークス・秋華賞(エリザベス女王杯)の3つのG1競走の総称になります。

実施時期は、桜花賞とオークスが春、秋華賞(エリザベス女王杯)が秋。3レースすべて制覇した馬を「三冠牝馬」と言います。

今回は春開催の桜花賞とオークスは出走できなかったが、最後の秋華賞(エリザベス女王杯)で勝利した牝馬を紹介していきます。

ちなみに、エリザベス女王杯を括弧で書いているのは、1996年に秋華賞が創設されるまではエリザベス女王杯が牝馬三冠レースの三冠目だった(現在は3歳以上牝馬)ためです。

牝馬三冠レースについてより詳しく知りたい方は、こちらの記事をご覧ください!

牝馬三冠とは? | 歴代三冠牝馬6頭のなかで最強の牝馬は?【2022年最新】

エリザベス女王杯・秋華賞を制覇した夏の上がり馬

  1. ミヤマポピー(1988)
  2. サンドピアリス(1989)
  3. ファインモーション(2002)

ミヤマポピー(1988)

1988年にエリザベス女王杯を制覇した夏の上がり馬です。

3歳(現2歳)の11月に新馬勝ちを決めますが、そこから5戦は未勝利。4歳(現3歳)の8月に2勝目を挙げると、格上挑戦のローズSで4着。

すこしずつ調子を上げると、6番人気に推されたエリザベス女王杯を優勝しました。

その後は、G2・京都記念で3着に入るなどしましたが、1勝も挙げられずに引退しました。

サンドピアリス(1989)

1989年にエリザベス女王杯を制覇した夏の上がり馬です。

4歳(現3歳)の春にデビューしてダート戦を2勝しましたが、芝のレースはいずれも掲示板外で3戦3敗。エリザベス女王杯は記念出走のようなもので20頭中20番人気でした。

しかし、最後の直線では外から凄い末脚で強襲。実況アナは「外を通りまして3枠から一頭サンドピアリスだ…、おおなんとサンドピアリスだ」と思わず絶句しました。

単勝配当はG1史上最高額の43,060円。この記録は2021年現在も破られていません。

正直、前哨戦までの成績もずっと悪いので、夏の上がり馬とはすこし違うかもしれませんが、衝撃のレースだったのでお伝えしました。

ファインモーション(2002)

2002年に秋華賞を制覇した夏の上がり馬です。

桜花賞・オークスは規定により出走できなませんでしたが、夏の函館で500万条件、札幌で1000万条件を楽々勝利すると、ローズSも3馬身差で勝ってデビューから4連勝。

秋華賞本番は、単勝1.1倍の圧倒的支持に応え、当時のコースレコードとなる1分58秒1で勝利。無敗でのG1を初制覇を達成しました。

続くエリザベス女王杯も単勝1.2倍の断然的1番人気に応え、着差0.4秒で快勝。無敗での古馬GI制覇は史上初で現在でも2頭のみの記録です。

夏の上がり馬は馬券が儲かる?

夏の上がり馬は下級条件から一気に昇格してG1での実績がないため、皐月賞・東京優駿で活躍した馬より不人気のことも多いです。

ただ、クラシック三冠レース3冠目の菊花賞の距離は芝3000m。どの馬も走ったことがない未知の距離で波乱が起こる可能性も大。

そこで実際にG1初挑戦で菊花賞を制覇した夏の上がり馬の人気とオッズから、夏の上がり馬が儲かるのかどうか確認してみましょう。

馬名人気単勝オッズ
アカネテンリュウ1人気5.7
メジロマックイーン4人気7.8
マヤノトップガン3人気6.5
マチカネフクキタル*3人気5.0
ヒシミラクル10人気36.6
オウケンブルースリ1人気3.7
スリーロールス8人気19.2
ビッグウィーク7人気23.2
トーホウジャッカル3人気6.9
フィエールマン7人気14.5

結論としては、菊花賞における夏の上がり馬はかなり儲かるという結果になりました。

今回ご紹介した10頭中8頭は皐月賞馬やダービー馬に1番人気を譲って3番人気以下。1番人気だった2頭も単勝オッズは3.7倍~5.7倍です。

また、将来的にG1を何度も勝つメジロマックイーン・マヤノトップガン・フィエールマンなどが単勝オッズ6.5倍以上とは美味しい。

もちろん結果論ではありますが、初めての格上挑戦で評価がやや下がる夏の上がり馬は、馬券的にとてもおすすめです!

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