どうも、馬体重比12.5%が運命の分かれ目と思うタケツム (@taketsumu_keiba) です。
競走馬の斤量差が競走馬の能力にどれだけ影響するかというのは気になるところですよね。
巷では「1キロ≒1馬身≒0.2秒」という説が出回っていますが、それは正しいのでしょうか。
この記事では、斤量差が競走馬の能力に及ぼす影響から斤量差の影響がより大きくなるレース条件まで詳しく解説していきます。
タケツム
タケツム
ダート短距離専門家。2022年4月にJRAのダート1400m以下のレース予想に特化した『ダート短距離の教科書』を出版。Amazonレビュー4.1。2023年の回収率は111%。馬券は単勝のみ。X(旧Twitter)もやっています。
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斤量とは
斤量(きんりょう)とは “競走馬がレースに出走するときに背負う負担重量” のことです。
現在では斤量の単位を「kg」で示しますが、昔は「斤」(1斤=0.6kg)で示していました。そのときの名残で「斤量」と呼ばれています。
また、海外のアメリカやイギリスの競馬では、それぞれポンドやストーンで斤量を示します。
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斤量の計算方法
斤量は以下3つの合計で求められます。
- 騎手の体重
- 騎手の装備(勝負服など)
- 所定の馬具(鞍など)
もしこれらを足しても負担重量が不足する場合は、おもりを使って調整します。
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斤量の差はレース結果に影響するのか
結論から言うと、斤量の差は競走馬の能力に少なからず影響があるものの、その影響度はそこまで大きくないと考えて大丈夫です。
「斤量なんて関係ない!」というのは言い過ぎですが、逆に「斤量が2キロ減るから買い!」というのはすこし大袈裟かもしれません。
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定説は「1キロ≒1馬身≒0.2秒」
斤量差による影響を語るうえで有名なのが「1キロ≒1馬身≒0.2秒」の法則です。
これは昔からある考え方で、実際にJRAのハンデキャップ委員がハンデを決めるときにも1キロ≒0.2秒で換算しているとされています。
しかし、競走馬のタイムというのは馬場状態や枠順、展開などによって簡単に変わるので、あくまで目安に過ぎないと僕は思います。
たとえば、前走では同じ斤量を背負ったAに対して1馬身差負けたBのみが次走-2kgで走ったとして、必ずAを逆転できる根拠はありません。
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斤量はトップスピードより初速に影響する
斤量差について大事な観点としてどこに影響するかという問題があります。結論から言うと、トップスピードより初速に影響します。
自転車を考えるとわかりやすいですが、荷台に重い荷物を載せて走ると、出だしが重くスピードに乗るまでに時間がかかりますよね。
しかし、一度スピードに乗ってしまえば多少荷物が重くてもペダルは漕ぎやすく、いつも通りのスピードで進める感覚があると思います。
これと同じように斤量の差は競走馬の初速への影響が大きく、決してレース全体を通じて能力が低下するわけではない点がポイントです。
斤量は馬体重との掛け合わせで判断すべき
たとえば、同じ重量3kgのカバンを背負って走るにしても、体重100kgの男性と体重30kgの女性が背負うのではかかる負担が違います。
これと同じように斤量そのものよりは馬体重比(馬体重÷斤量)が重要で、比率が大きいほど競走馬にとっての負担が大きく不利です。
具体的には、馬体重比が12.5%を超えると回収率が大きく低下するというデータがあり、ひとつの目安にしてみるのもいいでしょう。
参考:斤量に対して不利が大きい馬体重
斤量 | 馬体重 |
---|---|
58kg | 464kg未満 |
57kg | 456kg未満 |
56kg | 448kg未満 |
55kg | 440kg未満 |
54kg | 432kg未満 |
53kg | 424kg未満 |
52kg | 416kg未満 |
51kg | 408kg未満 |
50kg | 400kg未満 |
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斤量差の影響をデータで検証してみる
ここまで斤量差の影響について大雑把に解説してきましたが、ここからはデータをもとにレース条件ごとの影響について考えてみましょう。
レース区分:別定・ハンデ戦での影響大
斤量 | 馬齢戦 | 定量戦 | 別定戦 | ハンデ戦 |
---|---|---|---|---|
49.5~51kg | 84 | 78 | 151 | 151 |
51.5~53kg | 90 | 82 | 39 | 87 |
53.5~55kg | 86 | 76 | 69 | 84 |
55.5~57kg | 81 | 78 | 80 | 68 |
57.5~59kg | ー | 78 | 85 | 72 |
59.5~ | ー | ー | 96 | ー |
競馬のレースには馬齢重量戦・定量戦・別定戦・ハンデ戦と大きく4つの区分があります。
馬齢重量戦と定量戦は馬の性別と年齢のみで斤量が決まるのに対して、別定戦とハンデ戦は文字通りハンデを設けるレースのことです。
それぞれの斤量ごとの単勝回収率を比べると、ハンデが設定されている別定戦・ハンデ戦で斤量による差が大きいことがわかります。
ここからわかるのは馬の性別や年齢、減量騎手での斤量減はもともとがマイナス要素のためプラス要素にはなりにくいということです。
一方、特にハンデ戦はすべての馬にチャンスを与えるよう設計されているだけあって、単純な能力比較では軽斤量馬の回収率が高いです。
タケツム
競馬の期待値とは | 計算方法から平均値まで初心者でもわかるように解説します
コース:ダートより芝の影響大
斤量 | 芝 | ダート |
---|---|---|
49.5~51kg | 184 | 13 |
51.5~53kg | 92 | 64 |
53.5~55kg | 80 | 79 |
55.5~57kg | 69 | 87 |
57.5~59kg | 91 | 114 |
芝コースは馬体が小柄で瞬発力に優れた馬も多いため、斤量が重くなることでの負担は大きく、斤量が軽い馬の回収率が良いです。
特に重馬場のときには普段よりもさらにパワーが必要になるので、重い斤量を背負うことによるマイナスの影響がより大きくなります。
一方、ダートコースはもともと馬体重500kgを超えるパワータイプが多いため、斤量が重くなることによる負担は小さいです。
また、ダートは牝馬より牡馬のほうが圧倒的に有利なため、極端に斤量が軽い53kg未満(牝馬が多い)の回収率は著しく低くなります。
距離:短距離より長距離の影響大
斤量 | 1400m未満 | 1800m未満 | 2200m未満 | 2200m以上 |
---|---|---|---|---|
49.5~51kg | 160 | 120 | 107 | 230 |
51.5~53kg | 88 | 84 | 77 | 95 |
53.5~55kg | 80 | 78 | 81 | 78 |
55.5~57kg | 80 | 78 | 79 | 52 |
57.5~59kg | 57 | 96 | 127 | 72 |
距離別の斤量差による影響を見ると、2200m以上の長距離戦において斤量が軽くなるにつれ回収率が上がっていることがわかります。
走行距離が極端に長いと斤量が重い馬のスタミナ消費が激しく、短距離戦よりも斤量が軽い馬との差が広がることが推察されますね。
★減量制度による減量に注意
減量制度とは “見習騎手(免許の通算取得期間が5年未満で、勝利数が100回以下の騎手)と女性騎手の負担重量を軽減する制度” です。
印 | 勝利数 | 減量 |
---|---|---|
▲ | 男性30回以下 | -3kg |
△ | 男性31~50回 | -2kg |
☆ | 男性51~100回 | -1kg |
★ | 女性50回以下 | -4kg |
▲ | 女性51~100回 | -3kg |
減量制度はハンデ戦や特別競走には適用されません。通算勝利数には海外の重賞や地方競馬の交流競走なども含まれる
軽い斤量が特に有利な平場のダート短距離などでは減量騎手の穴馬が楽々逃げ切ってしまうような波乱もあるので注意しましょう。
結論:斤量差の影響はレースによって違う
この記事では、斤量差が競走馬の能力に及ぼす影響から斤量差の影響がより大きくなるレース条件まで詳しく解説してきました。
結論としては、斤量差が競走馬の能力に及ぼす影響は基本さほど大きくないが、レース条件によっては斤量差による影響もみられる。
また、斤量そのものよりも馬体重比(馬体重÷斤量)の概念が重要で、体重に比べて斤量が重くなることの不利は大きいといった感じです。
個人的には予想ファクターとして斤量はそこまで重視しなくてもよいと思いますが、この記事で解説したことを知っておくと役立ちます。
ぜひ様々な予想ファクターを駆使して、夢の回収率100%超えを目指していきましょう!
どうも、馬体重比12.5%が運命の分かれ目と思うタケツム (@taketsumu_keiba) でした。
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それは多くの競馬ファンが当たり前にやっていることを同じようにやっているだけだからです。
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自分では必死にやっているつもりでも、毎週のように馬券を買う人なら至ってフツーのこと。
それだけでは何の差別化にもならないので、むしろ自分だけ勝てるようになる方が不思議です。
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しかし、そこがポイント。
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私も数年前まではメインレースに全力投球で、たまに勝っても儲からない負け組でした。
もちろんメインレースで勝つために必死に必死に学びましたが、上には上がいました。
だけどダート短距離に特化した予想を始めて気づいたのはブルーオーシャンだということ。
自分のようなアマチュアでも小さい努力で大きい成果を手に入れやすいと気づいたのです。
そこからはダート短距離しか馬券を買わず、気づけば4年連続で回収率はプラスでした。
何度も言いますが、私自身は特別に競馬の予想に関する才能を持っていたわけではありません。
それでも勝ち組になれたのは、紛れもなくダート短距離というニッチな領域を極めたから。
とはいえダート短距離を専門的に学ぶと言っても何から始めたらいいかわからないですよね。
私もダート短距離特化で予想を始めたときは情報が少なく、独学で手探り状態でした。
でも大丈夫。これからダート短距離を詳しく学びたい人には心強い味方がついています。
それがダート短距離の予想に特化した唯一の競馬本『ダート短距離の教科書』。
本書ではJRAダ1400m以下の予想だけに的を絞ったノウハウを1冊に凝縮しています。
ダート短距離の知識がゼロの人が読む前提で、超初心者でもわかるよう丁寧に解説しました。
本書を読めば、ダート短距離に関する「脚質」「馬場状態」「枠順」「性別」「馬体重」「斤量」などの基本的な考え方がわかります。
たとえば、ダート短距離では勝ち馬の7割が第4角を5番手以内に回った先行馬になります。
先行馬有利は競馬の鉄則ですが、直線が短く芝よりスピードが出ないダート短距離では、より逃げ馬や先行馬に注意して予想せねばなりません。
ほかにも、ダート短距離ではOPクラス昇級初戦の馬の勝率が非常に低いという特徴があります。
実際、2022年に昇級初戦で1〜3番人気に推された15頭のうち1着になったのはわずか1頭でした。
これはダート短距離が高齢まで走る馬が多いうえに重賞が少なく芝よりOPのレベルが高いことが原因ですが、知らないと罠にハマってしまいます。
こんなふうにダート短距離にはダート短距離だけの特長が存在します。上記のポイントを踏まえて予想するだけでも変わると思いませんか?
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別の競馬本には絶対マネできない変態度です笑
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