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斤量とは | 馬齢戦・定量戦・別定戦・ハンデ戦の違いをわかりやすく解説

どうも、斤量差が大きいハンデ戦の予想が苦手なタケツム (@taketsumu_keiba) です。

あなたは「斤量(きんりょう)」という競馬用語を知っているでしょうか。

斤量とは “競走馬がレースに出走するときに背負う負担重量” のことで、レース条件によって競走馬の斤量は異なります。

この記事では、斤量の意味や計算方法、確認方法から斤量の決め方、予想での活用法までわかりやすい言葉で解説していきます。

タケツム

ぜひ最後までお読みください!

斤量とは

斤量(きんりょう)とは “競走馬がレースに出走するときに背負う負担重量” のことです。

現在では斤量の単位を「kg」で示しますが、昔は「斤」(1斤=0.6kg)で示していました。そのときの名残で「斤量」と呼ばれています。

また、海外のアメリカやイギリスの競馬では、それぞれポンドやストーンで斤量を示します。

斤量の計算方法

斤量は以下3つの合計で求められます。

  1. 騎手の体重
  2. 騎手の装備(勝負服など)
  3. 所定の馬具(鞍など)

もしこれらを足しても負担重量が不足する場合は、おもりを使って調整します。

タケツム

騎手の体重=斤量ではない点に注意が必要です!

斤量の確認方法

競走馬がレースで負担する斤量は、Webや競馬新聞の出馬表から簡単に確認できます。

上記の写真のように同じレースでも競走馬によって斤量が異なることも多く、斤量の差を考えることは馬券を当てるうえでも大切です。

タケツム

斤量の決め方についてはこのあと詳しく解説します!

レース区分による斤量の決め方

競走馬の斤量を決める要因は様々ありますが、まず最初に最もわかりやすい “レース区分による斤量の決め方” について解説します。

競馬のレースは負担重量の決め方によって大きく4種類に分類することができます。

  1. 馬齢重量戦
  2. 定量戦
  3. 別定戦
  4. ハンデ戦

馬齢重量戦

馬齢重量戦とは “馬の性別と年齢のみで負担重量を決めるレース” のことです。

年齢 2歳 3歳
時期 1~9月 10~12月 1~9月 10~12月
牡セン 54kg 55kg 56kg 57kg
54kg 54kg 54kg 55kg

現在では2歳戦と3歳限定戦のみで実施されていて、古馬戦に馬齢重量戦は存在しません。(古馬戦では次項の “定量戦” がほぼ同義)

ちなみに、時期によって牡牝の斤量の差が違うのは、サラブレッドの成長力の差(若年期は牝馬のほうが成長が早い)が理由です。

定量戦

次に、定量戦とは “馬の性別と年齢のみで負担重量を決めるレース” のことです。

基本的には3歳以上・4歳以上などの混合レースにおける馬齢重量戦と考えればOK。

5歳以上の牡馬57kg、牝馬55kgを基準としてレースの実施時期と距離によって4歳以下の出走馬の馬体重が下記の通り決められています。

距離 馬齢 性別 1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月
1,000m

1,599m
3歳 牡セン 48 49 50 51 52 53 54 54 55 55 56 56
46 47 48 49 50 51 52 52 53 53 54 54
4歳 牡セン 56
55
1,600m

2,199m
3歳 牡セン 48 49 50 51 52 53 53 54 54 55 55 56
46 47 48 49 50 51 51 52 52 53 53 54
4歳 牡セン 56 56
54 54
2,200m
3歳 牡セン 47 48 49 50 51 52 53 53 54 54 55 56
45 46 47 48 49 50 51 51 52 52 53 54
4歳 牡セン 56 56 56
54 54 54

※太字で示した箇所はOPクラス以外の平地競争ではさらに-1kg

実際に3歳以上の混合レースが実施されるのは早くて6月くらいからなので、3歳牡馬が40kg台で出走してくるレースというのはありません。

馬齢重量戦と定量戦の違い

どちらも馬の性別と年齢のみで負担重量を決めるならまとめて馬齢重量戦でよいのではと思いますが、両者には明確な違いがあります。

それは馬齢重量戦がすべてのレースで斤量が一定なのに対し、定量戦はレースごとに斤量を決めることができるという違いになります。

たとえば、毎年6月に実施される安田記念や宝塚記念など3歳馬と古馬が出走するレース。

もし馬齢重量戦のルールに従うと3歳馬は牡馬56kg、牝馬54kgの負担重量になるはずですが、実際には3歳馬は性別問わず54kgになります。

また、オークスやダービーは3歳限定レースですが、伝統的に牡馬57kg、牝馬55kgの斤量で、馬齢重量戦ではなく定量戦に区分されます。

このようにレースごとに負担重量を決めることができ、古馬混合G1などにおいては主に3歳馬への優遇策がとれる点が定量戦の特徴です。

タケツム

同じ負担重量(牡馬57kg、牝馬55kg)でも実施時期の影響でダービーは定量戦、菊花賞は馬齢重量戦に区分されるのはあくまで制度上の違いにすぎません。

別定戦

別定戦とは “レースごとに負担重量を決定する基準が設けられているレース” のことです。

具体的には、定量戦の箇所で解説した馬の性別と年齢で定められる基準重量に加え、出走予定馬の獲得賞金や勝利数、獲得タイトルなどの条件によって負担重量が増減します。

斤量を定める条件の違いによって「賞金別定」「グレード別定」などと記載します。

ちなみに、定量戦は馬の性別と年齢のみで負担重量が変わり、そこからの増減はありませんが、レースごとに負担重量を決定するという点で広義では別定戦の一種に分類されます。

ハンデ戦

ハンデ戦とは “すべての競走馬に勝つチャンスが与えられるように人間によって意図的に斤量が調整されたレース” のことです。

正確には、JRAのハンデキャップ作成委員の人たちが、出走予定馬の実績や最近の状態などを考慮し、各競走馬の負担重量を決めています。

出馬表を見ると、斤量57.5kgのように0.5kg単位の斤量になっている場合があるのが特徴です。

別定戦とハンデ戦の違い

別定戦はハンデ条件を機械的に決めているのに対し、ハンデ戦は人手で斤量を決めています。

レース区分ごとの年間レース数

斤量によるレース区分ごとの年間レース数をクラス別にまとめてみました。※障害レース除く

馬齢戦 馬齢戦 重量戦 別定戦 ハンデ戦
重賞 31 23 59 27 140
OP 4 0 121 37 162
3勝 0 138 0 77 215
2勝 0 424 0 56 480
1勝 160 766 0 0 926
未勝利 1160 0 0 0 1160
新馬 297 0 0 0 297
1652 1351 180 197 3380
斤量によるレース区分

馬齢重量戦
馬齢と性別のみで斤量が決まる
2歳・3歳限定レースのみ

定量戦
馬齢と性別のみ斤量が決まる
3歳以上・4歳以上レースで実施
3歳限定G1の一部も含まれる

別定戦
獲得賞金や獲得タイトルで斤量が決まる
ハンデは機械的に決める

ハンデ戦
全馬にチャンスがあるように斤量を決める
ハンデは人が決める

その他の斤量の決め方

ここまで解説したように斤量は基本的にレース区分によって変わりますが、下記2つの条件に該当するとさらに斤量が軽くなります。

減量制度による減量

減量制度とは “見習騎手(免許の通算取得期間が5年未満で、勝利数が100回以下の騎手)と女性騎手の負担重量を軽減する制度” です。

●見習騎手

区分 勝利数 減量
男性騎手
30回以下 -3kg
31回以上50回以下 -2kg
51回以上100回以下
-1kg
女性騎手
50回以下 -4kg
51回以上100回以下 -3kg

女性騎手は見習騎手の卒業後も永遠に2kgの減量(印:♢)が適用されます。

また、減量制度はハンデ戦や特別競走には適用されません。通算勝利数には海外の重賞や地方競馬の交流競走なども含まれます。

南半球産による減量

南半球で7月1日から12月31日までの間に出生した馬が、ハンデ戦を除く平地競走に出走する場合は、負担重量が軽くなります。

ただ、この種類の減量パターンはほとんど見ることがないので、気にしなくていいです。

斤量によるレース結果への影響とは?

あなたが誰かを背負って走ることを想像するとわかりやすいですが、もちろん斤量は軽いほうが速く走れる可能性は高いです。

では、実際に競馬における斤量の差はレース結果にどれくらいの差を及ぼすのでしょうか。

有名なのは「斤量1kg=タイム約0.2秒=着差約1馬身」の差を生むという説です。

競馬ではハナ差やクビ差、半馬身差という決着も多いので、斤量1kgで1馬身もの差が出るというのはハンデとしては大きいですよね。

馬齢重量戦・定量戦での斤量差は小さい

牝馬の-2kgや見習騎手の減量はもともとがマイナス要素なので、斤量差が軽いほど回収率が良くなるという期待はしにくいです。

実際、過去3年におけるハンデ戦を除いたレースの斤量ごとの成績を見てみても勝率・単勝回収率ともに大きな傾向はみられません。

斤量 出走頭数 勝率 連対率 複勝率 単回値 複回値
~49kg 296 9.1% 15.2% 23.6% 90 81
49.5~51kg 5242 4.4% 9.5% 13.8% 61 59
51.5~53kg 13841 6.6% 12.8% 19.5% 63 69
53.5~55kg 63110 7.4% 14.6% 22.1% 71 72
55.5~57kg 47106 7.5% 15.2% 22.6% 76 75
57.5~59kg 1496 5.7% 11.4% 19.3% 67 79
59.5~ 3448 9.5% 18.8% 27.3% 76 77

ハンデ戦での斤量差は大きい

一方、ハンデ戦に関してはすべての馬が1着になるチャンスがあるように設計されているだけあって、斤量が軽い馬の期待値は高いです。

実際、斤量が軽い(能力比較では弱い)馬のほうが勝率は低いものの、馬券で見たときの単勝回収率は高くなっていることがわかります。

斤量 出走頭数 勝率 連対率 複勝率 単勝回収値 複勝回収値
~49kg 29 0.0% 0.0% 3.4% 0 5
49.5~51kg 528 5.1% 8.7% 12.3% 140 84
51.5~53kg 2433 5.4% 11.3% 16.8% 95 79
53.5~55kg 4204 7.3% 14.5% 22.2% 96 89
55.5~57kg 1306 9.3% 18.2% 26.6% 67 72
57.5~59kg 93 12.9% 23.7% 33.3% 65 83
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