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フロックとは
フロックとは「まぐれ」という意味です。
たとえば、不人気馬が超スローペースをまんまと逃げ切ったときなど、特に実力ではなく展開が向いて勝利したと判断されたときに「前走は完全にフロックだったね」などと使われます。
逆に、前走が偶然の勝利と思われていたにもかかわらず、次走でも好走したときには、実力は本物であるという意味合いを込め、「前走はフロックではなかった」などとよく言います。
1997年の日本ダービーにおいて、当時フロック扱いされていた皐月賞馬サニーブライアンが勝利したときの「これはもうフロックでも何でもない!」という実況はかなり有名ですね。
フロックの語源
フロックは、英語の”fluke”が語源です。
【fluke】
・まぐれ当たり、思わぬ幸運
・偶然の出来事、不測の事態
・正しい発音は「フルーク」
ネイティブの発音は「フルーク」ですが、日本においては誤読されたまま「フロック」として使われているそうです。
フロック勝ちは本当にあるのか?
フロッグとはまぐれ勝ちのことですが、そもそも競馬にまぐれ勝ちなんてあるのでしょうか。
個人的な意見を言えば、競馬にフロックなんて存在しないと思っています。
たしかに「展開が向いた」「枠が味方した」など、偶然の好条件が重なって勝利する馬もいますが、それこそが競馬の醍醐味です。
もし競馬に実力通りの結果を期待するならば、芝の荒れ具合を均等にした新潟千直を真っ直ぐに競争するしかない。つまらないですね。
競馬は偶然性があるから面白い
そう、競馬とは、枠・展開・馬場など、たくさんの偶然要素が複合的に重なり、走るたびに結果が変わるからこそ、おもしろいのです。
もしオリンピック陸上男子100mの着順予想をしても、いつもウサイン・ボルトが勝つだけであまり面白くないと個人的には思います。
競馬では「運も実力のうち」なわけです。
偶然性でカバーできる範囲には限界がある
ここまで運も実力のうちだからフロックなんてないと言いましたが、そもそも運だけではない実力もなければ勝てないのも事実です。
どれだけ展開が向いたり、枠が味方するなどの好条件が揃っても、明らかに実力のない馬が勝利することはできないと思います。
だから、フロックは予想不能な不人気馬が勝利してしまったときの負け惜しみと言えなくもないわけですね・・・(涙)
フロックでG1制覇と思いきや実力が本物だと証明した馬
- サニーブライアン
- ヒシミラクル
- ダイワメジャー
- ダイタクヤマト
- メジロパーマー
- コパノリッキー
サニーブライアン
フロックと言えば、サニーブライアン。
東京優駿のゴール前でフジテレビの三宅アナが残した「これはもう、フロックでも、何でもない!二冠達成!」は、歴史に残る名実況です。
また、レース後のインタビューにおいて、大西騎手は「評価はどうでもよかった。1番人気はいらないから1着だけ欲しい、と思っていました」と素敵な言葉を残してくれています。
ヒシミラクル
フロックと言えば、もう1頭絶対に欠かすことができないのがヒシミラクル。
上位人気馬を差し置いてのG1連覇はもちろん、宝塚記念では前日発売でヒシミラクルの単勝1222万分の購入があり、話題になりました。
結果的にヒシミラクルが勝利したため、払戻金は1億9918万6000円と超高額になり、的中男性は「ミラクルおじさん」と呼ばれました。
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ダイワメジャー
G1競争5勝、2年連続で最優秀短距離馬を受賞した名馬ダイワメジャーですが、クラシック初戦時点での評価は低く10番人気でした。
皐月賞を制覇した年にはもう1勝を挙げることができず、まさにフロックかと思われましたが、古馬になってから才能が一気に開花。
特に、2006年秋の毎日王冠→天皇賞(秋)→マイルチャンピオンシップの3連勝は強かったです。
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ダイタクヤマト
スプリンターズステークスでは16頭中16番人気で優勝。G1史上3番目に高い単勝馬券の払戻25,750円を演出しました。
このG1制覇がフロック視され、続くG2・スワンSでさえ8番人気の人気薄でしたが、見事に重賞2連覇を達成しました。
さらに、続くマイルCSでも先行馬が前崩れした展開の中、4着に健闘。この年の最優秀短距離馬と最優秀父内国産馬に選出されました。
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メジロパーマー
平成初期の日本競馬を席巻したメジロ牧場の「花の87年組」。5歳(現4歳)のときに重賞を初勝利した晩成タイプの逃げ馬です。
1992年には、9番人気・15番人気の低評価を覆し、史上5頭目の宝塚記念と有馬記念の春秋グランプリ連覇を達成しました。
この実績により、同年の最優秀5歳以上牡馬と最優秀父内国産馬を受賞。また、障害競走転向から平地競争に復帰してG1競争を優勝した史上唯一の馬という珍しい記録も残しています。
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コパノリッキー
フェブラリーS連覇・かしわ記念3勝など、日本競馬史上最多のG1格相当レース11勝を記録したダートの名馬です。
G1初挑戦となったフェブラリーSでは、故障明けで近2走凡走していた影響で16頭中16番人気。今では信じられない評価ですよね。
同年の最優秀ダートホースはG1・3勝のホッコータルマエに譲りましたが、翌年はコパノリッキーが最優秀ダートホースを受賞しました。