【1,000部突破】当ブログから生まれた『ダート短距離の教科書』が売れてます

リステッド競争とオープンの違いは? | リステッド全63レース一覧つき

どうも、ダート短距離(1400m以下)専門家のタケツム(@taketsumu_keiba)です。

JRAでは2019年より新たなレースの格付けとして「リステッド競争」を導入しました。

この記事ではリステッド競争を導入した理由やオープンとの違いについて解説します。

記事の最後にはリステッド競争の一覧も載せているので、ぜひ参考にしてくださいね!

タケツム

競馬好きサラリーマンのタケツムが解説します!

リステッド競争の意味とは

リステッド競争とは「オープン特別とG3の間の格付けにあるレース」のことです。

JRAが実施するレースは、馬の年齢と収得賞金によって9つのクラスに分かれています。

そのなかで上位4番目のクラスに位置するレースがリステッド競争です。

重賞(G1・G2・G3)に次ぐ格付けにあることから「準重賞」とも呼ばれます。

タケツム
タケツム

レース名に(L)と書いてあるのがリステッド競争だよ!

JRAがリステッド競争を導入した理由

JRAがリステッド競争を導入した理由には、階級制度の廃止が関係しています。

JRAでは2019年の夏より降級制度を廃止。クラスの昇級が一方通行になったことで、オープン馬が約16%増加する試算となっていました。

これは上級クラスで通用しない馬に対する救済措置の消滅を意味しており、当時は多くの馬主から反対の声が挙がっていました。

そこでオープン競争の一部をリステッド競争に格上げすることで、実力不足のオープン馬の居場所を確保したようです。

タケツム
タケツム

レース名に(L)と書いてあるのがリステッド競争だよ!

※降級制度とは:そのクラスで頭打ちになった4歳馬が収得賞金を半分にすることを条件にクラスを下げて出走できる制度。一生に1度のみ適用できる。

リステッド競走に格付けされる条件

リステッド競走の格付け条件は「過去3年間のレースレーティングの平均値が100以上(2歳戦と牝馬限定戦は95以上)であること」です。

この基準をもとに、日本グレード格付け管理委員会によって指定されます。

もし直近3年の平均値が97を下回るとリステッド格付を自動的に失います。

リステッド競走が導入される時点でこの基準をクリアする競走は、JRAのオープン特別競走のなかでも100以上ありました。

しかし、JRAは一度にOPから格上げせず、現在63競争のみをリステッド競走にしています。

タケツム
タケツム

JRAが興行上の効果を狙って意図的に取捨選択したらしい!

リステッド競争とオープンの違い

リステッド競争とオープンの違いは「収得賞金」と「ブラックタイプへの記載」です。

タケツム
タケツム

詳しく解説しますね!

1:収得賞金の上積み

収得賞金とは「上級レースの出走資格を獲得するために必要な賞金」のことです。

JRAでは5着までに入着すると本賞金が獲得できますが、収得賞金は1着馬のみに与えられます。

基本的に重賞の出走資格は収得賞金の多い順に与えられるため、収得賞金をすこしでも多く加算しておくことは非常に重要です。

リステッド競争は、オープン競争と比べて収得賞金が200万円多くなっています。

タケツム
タケツム

重賞に出走したい馬にとっては収得賞金を稼ぐチャンス!

2. ブラックタイプへの記載

ブラックタイプとは「セリ名簿に記載される血統表」のことです。

セリ名簿では、登録馬の血統の質が一目でわかるように、現役時代に活躍した馬ほど、より黒い太字(ブラックタイプ)で記載されます。

これまでは基本的に重賞(G1・G2・G3)で5着以内に入線した活躍馬のみがブラックタイプで記載されていました。

しかし、新たにリステッド競争に勝利した馬も、重賞と同じようにセリ名簿にブラックタイプで記載するルールとなりました。

タケツム
タケツム

重賞には一歩足りない馬には、絶好のチャンス!

世界におけるリステッド競争の歴史

世界の競馬開催地では、20世紀中頃まで競争の体系化は行われておらず、各国が無計画にレースを開催していました。

しかし、1943年にイギリスが競争の体系化を始めたことがきっかけとなり、1970年にグループ制度が創設されました。

グループ制度とは、毎年行われる競争を「グループ1(≒G1)」「グループ2(≒G2)」「グループ3(≒G3)」に分類する制度です。

この3ランクの創設に伴い「グループ競争基準以下の良馬のためのレース」として定められたのが、リステッド競争になります。

タケツム
タケツム

グループの格付けは国際間の協議で決まるけど、リステッド競争の定義は国ごとに違うよ!

日本では2019年からリステッド競争を導入

JRAでは、2019年から新たな格付けとしてリステッド競争を導入しました。

これに伴いオープン競争の半数以上に上るレースがリステッド競争に格上げされました。

実は、2018年以前にも日本にはリステッド競争の概念がありましたが、競馬ファンにはそれを公表していませんでした。

しかし、2019年の春から正式にリステッド競争の概念を公表することになり、レース名に(L)の表記を用いることになりました。

タケツム
タケツム

たとえば、若駒S(OP)から若駒S(L)になったよ!

JRAが実施するリステッド競走の一覧

令和3年現在、JRAがリステッド競争に指定しているのは63レースです。

内訳は、2歳が2競争、3歳が16競争、3(4)歳以上が45競争となっています。

レース名馬齢競馬場開催月距離資格本賞金
アイビーS2歳東京10月芝1800m 1,700
萩S2歳京都10月芝1800m 1,700
ジュニアC3歳中山1月芝1600m 2,000
紅梅S3歳京都1月芝1400m2,000
若駒S3歳京都1月芝2000m 2,000
クロッカスS3歳東京1月芝1400m 2,000
エルフィンS3歳京都2月芝1600m2,000
ヒヤシンスS3歳東京2月ダ1600m 1,900
マーガレットS3歳阪神2月芝1200m 2,000
すみれS3歳阪神2月芝2200m 2,000
アネモネS3歳 中山3月 芝1600m 牝2,000
若葉S3歳 阪神 3月 芝2000m 2,000
忘れな草賞3歳 阪神 4月 芝2000m 牝2,000
スイートピーS3歳 東京 5月 芝1800m 牝2,000
プリンシパルS3歳 東京5月 芝2000m 2,000
橘S3歳 京都5月 芝1400m 2,000
鳳雛S3歳 京都5月 ダ1800m 1,900
白百合S3歳 京都5月 芝2000m 2,000
ニュ ーイヤーS 3歳上 中山 1月 芝1600m 2,500
淀短距離S3歳上 京都 1月 芝1200m 2,500
すばるS3歳上 京都 1月 ダ1400m 2,300
白富士S3歳上 東京 1月 芝2000m 2,600
 洛陽S3歳上 京都 2月芝1600m 2,500
 仁川S3歳上 阪神 2月 ダ2000m 2,300
 大阪城S3歳上阪神 3月 芝1800m 2,600
 東風S3歳上 中山3月 芝1600m 2,500
 六甲S3歳上 阪神3月 芝1600m 2,500
 コーラルS3歳上 阪神 4月 ダ1400m 2,300
 春雷S3歳上 中山4月 芝1200m 2,500
 京葉S3歳上 中山4月 ダ1200m 2,300
 福島民報杯3歳上 福島4月 芝2000m 2,600
 オアシスS3歳上 東京4月 ダ1600m  2,300
 メトロポリタンS3歳上 東京 5月 芝2400m  2,600
 谷川岳S3歳上 新潟 5月 芝1600m  2,500
 ブリリアンS3歳上 東京 5月 ダ2100m  2,300
都大路S3歳上 京都 5月 芝2000m  2,600
 栗東S3歳上 京都 5月 ダ1400m  2,300
 安土城S3歳上 京都 5月 芝1400m  2,500
 米子S3歳上 阪神 6月 芝1600m  2,500
大沼S3歳上 函館 6月 ダ1700m  2,300
パラダイスS3歳上 東京 6月 芝1400m  2,500
 ジュライS3歳上 小倉 7月 ダ1700m  2,300
 札幌日経OP3歳上 札幌 8月 芝2600m  2,600
 BSN賞3歳上 新潟 8月 ダ1800m  2,300
 朱鷺S3歳上 新潟 8月 芝1400m  2,500
 エニフS3歳上 中京 9月 ダ1400m  2,300
 ポートアイランドS3歳上 中京 10月 芝1600m 2,500
 夕刊フジ杯オパールS3歳上 京都10月 芝1200m 2,500
 グリーンチャンネルC3歳上 東京10月 ダ1400m 2,300
 オクトーバーS3歳上 東京10月芝2000m 2,600
 信越S3歳上 新潟10月 芝1400m 2,500
 ブラジルC3歳上 東京10月 ダ2100m 2,300
 ルミエールオータムD3歳上 新潟10月芝1000m 2,500
カシオペアS3歳上 京都 11月 芝1800m 2,600
福島民友C3歳上 福島 11月 ダ1700m 2,300
オーロC3歳上東京11月芝1400m 2,500
 アンドロメダS3歳上 阪神 11月 芝2000m  2,600
 キャピタルS3歳上 東京 11月 芝1600m  2,500
 ラピスラズリS3歳上 中山 12月 芝1200m  2,500
 師走S3歳上 中山12月 ダ1800m  2,300
 リゲルS3歳上 阪神12月 芝1600m  2,500
 ディセンバーS3歳上 中山12月 芝1800m  2,600
 ベテルギウスS3歳上 阪神12月 ダ1800m  2,300

JRAのリステッド競争一覧のPDF版はこちら

リステッド競走のまとめ

この記事のまとめ
  • リステッド競争とは「オープン特別とG3の間の格付けにあるレース」のこと
  • リステッド競争のレース名には(L)と記載されている
  • JRAでは2019年にリステッド競争の概念を公式に競馬ファンに公表した
  • JRAがリステッド競争を導入した理由は降級制度廃止で困った弱馬の救済
  • リステッド競争の導入による変化は収得賞金が上積みとブラックタイプへの記載
  • リステッド競争の格付け条件は3年間のレースレイティングの平均が100以上
  • 現在、63レースがリステッド競争に格付けされている

この記事では、リステッド競争の意味や全63レースの一覧について解説しました。

JRAでは2019年に創設されたばかりのリステッド競争からどんな名馬が誕生するのか。

これからとても楽しみですね。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です