- サラブレッドとは
- サラブレッドの生産頭数が多い都道府県
- 北海道の日高地域が全国の80%
- 北海道の日高地域で生産が盛んな理由
タケツム
タケツム
ダート短距離専門家。2022年4月にJRAのダート1400m以下のレース予想に特化した『ダート短距離の教科書』を出版。Amazonレビュー4.1。2023年の回収率は111%。馬券は単勝のみ。X(旧Twitter)もやっています。
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サラブレッドとは
みなさんは「サラブレッド」の正確な意味がわかりますか。もし「競走馬」と答えた方は、半分正解で半分間違いです。
実は、サラブレッドは「競走用に品種改良された軽種馬」のこと。サラブレッドは競走馬の品種の1つに過ぎません。
現在の日本競馬ではサラブレッドしか走っていませんが、一昔前までは別の品種の馬たちも走っていたんですね。
サラブレッドの歴史と由来
サラブレッドは17世紀のイギリスにおいて、アラビア由来のアラブ種とイギリス原産種を掛け合わせたことで誕生しました。
サラブレッドは、アラブ種よりも大柄でスピードに優れており、徐々に主要な品種として全世界に広がって行きました。
語源は Thorough [ 完璧な ] + bred [ 品種 ] 。「純血種」を意味します。
日本競馬におけるサラブレッド
日本競馬では、昭和の中頃までアラブ種とサラブレッドを交配させた「アングロアラブ」という品種の馬がよく走っていました。
しかし、馬場の高速化に伴ってアングロアラブの影は薄まり、JRAでは1995年のアラブ大賞典を最後にアラブ競走が廃止。
地方競馬においても2013年3月23日を最後にアラブ競走が廃止され、アングロクラブは日本競馬から事実上消えました。
サラブレッドの生産頭数が多い都道府県
今回はサラブレッドの生産地を都道府県ごとに算出しました。
順位 | 都道府県 | 生産頭数 |
1位 | 北海道 | 6,920 |
2位 | 熊本県 | 26 |
3位 | 鹿児島県 | 17 |
4位 | 栃木県 | 17 |
5位 | 宮崎県 | 9 |
6位 | 千葉県 | 4 |
7位 | 秋田県 | 3 |
8位 | 神奈川県 | 1 |
9位 | 茨城県 | 1 |
10位 | 宮城県 | 1 |
計 | 全国 | 7,086 |
出典:「馬産地をめぐる情勢」農林水産省生産局畜産部競馬監督課(2019年2月)
上記の表からわかるように、北海道が全国のサラブレッドの生産頭数の98%を占めています。
北海道の日高地域が全国の80%
全国のサラブレッドの98%は北海道で生産されていますが、そのなかでも日高地域の生産が全国の80%を占めています。
どうして北海道の日高地域が日本一のサラブレッド生産地になっているのでしょうか。
タケツム
日高地域でサラブレッド生産が盛んな理由
今回は2つの側面からお伝えします。
- 歴史的観点
- 地理的観点
1. 歴史的観点
1858年 徳川幕府が日高に牧場を開く
1858年、徳川幕府は日高の元浦河(現浦河町)に牧場を開きました。しかし、サラブレッドの育成が目的だったわけではありません。
実際には、土地が広いために馬がなければ生活できなかったこと、軍馬としてロシアの南下に備えることが主な理由です。
明治時代になると、困ったことにその馬の一部が脱走。野生化した馬たちが付近の農作物を荒らすようになってしまいました。
1873年 黒田清隆が新冠牧場を創設
明治政府は、開拓民の保護と馬の生産業を育成するために、黒田清隆が中心となって広大な新冠(にいかっぷ)牧場を作りました。
新冠牧場には2000頭以上の野生馬が収容。約16年をかけて厩舎などの施設が増設され、馬を育成する拠点として発展していきます。
その後、新冠牧場は皇室御用達の御料牧場となり、1887年には日高地方で初めてサラブレッドの繁用が行われました。
1960年 戦後のコストアップで拠点が移動
広大な土地を魅力に馬の生産が進んでいた北海道ですが、実は戦前までは岩手県と千葉県がサラブレッドの二大生産地でした。
しかし、戦後になるの都市化や地価高騰によって牧場の数は減少。特に、千葉県では成田空港の建設で土地の買収が進みました。
その結果、大手の牧場が挙って北海道の広大な土地へ移転。現在のようにサラブレッド生産の一台拠点となったんですね。
2. 地理的観点
温暖で降水量が少ない
北海道の中では暖かく降水量が少ないために牧草が育てやすく、サラブレッドに供給する食糧が豊富です。
濃霧が発生する
霧は太陽の直射日光を和らげてくれるため、高音が苦手なサラブレッドにとって快適な環境になっています。
火山灰が厚い
厚く堆積した火山灰の影響で作物の栽培ができないため、ほかの地域に比べて畜産業が発展しました。
土地代が安い
当然、都市部と比べて土地代が安いため、サラブレッドの育成に必要な広大な敷地を格安で手に入れられます。
まとめ:サラブレッドの98%は北海道出身
- サラブレッドとは「競走用に品種改良された軽種馬」で競走馬の品種の1つ
- サラブレッドの生産頭数が多い都道府県1位は北海道で全国の98%を占める
- 北海道の中でも日高地域が全国のサラブレッド生産頭数の80%を占める
- 日高地域でサラブレッド生産が盛んな理由は「歴史的観点」と「地理的観点」
この記事では、サラブレッドの生産頭数が多い都道府県について解説しました。
全国のサラブレッドのうち98%が北海道で誕生しているとは驚きでしたね。
特に、日高地域は全国の80%を占めるサラブレッドの聖地。ぜひ一度は訪れてみてください。
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